お金も時間もかけずに厚い胸板を作る プリズナートレーニング

プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ

私の身体は貧弱で、懸垂ができるようになりたい!胸板を厚くしたい!と思っていた。でもジムに通うのはお金も時間もかかるし、続かなそう。自宅でできる良いトレーニングが無いか、探して見つけたのがこの本だ。

ジムに通わなくてよい、特別な器具も必要ない。(懸垂用のバー:ドアジムは買ったけど。)

時間も金もかけない。特に一回のトレーニング時間が比較的短いので、時間をとりやすく、長く続けられそう。でも効果は実感できるのがよい。

種目は6つでレベルは10段階

トレーニング項目は下記の6つに大別されている。

  • プッシュアップ:腕立て伏せ
  • スクワット
  • プルアップ:懸垂
  • レッグレイズ:足上げ腹筋
  • ブリッジ
  • ハンドスタンド:逆立ち

それぞれの項目は、簡単にできるステップ1から、超人級のマスターステップ10まで分かれており、順を追ってステップアップできる構成だ。

例えば、プッシュアップならレベル1は壁に向かって行う壁立て伏せ。そこから段階を踏みステップ5にてフルプッシュアップ、いわゆる腕立て伏せに至る。マスターステップはワンアーム・プッシュアップで、片手での腕立て伏せ。

プルアップなら、最初は柱につかまって身体を斜め後ろに倒してから起こす、ヴァーチカル・プルがステップ1、斜め懸垂などを経由して、ステップ5にてフル・プルアップ、いわゆる懸垂になる。マスターステップはワンアームプルアップでこちらも片手で全体重を持ち上げる片手懸垂となっている。

各ステップは、写真と文章でやり方や注意点を丁寧に解説してあり、素人にもわかりやすい。

私はとにかく懸垂ができるようになりたいのだが、この本ぐらい懸垂のやり方を順を追って説明してもらえれば、時間はかかってもいつかは必ずできる気がしてくるのだ。

メンタルのコントロールが秀逸

秀逸なのが、心構えの問題、トレーニングにあたってのメンタル・コントロールだ。

それが「筋力を貯金する」というキーフレーズ。トレーニングを激しく全力でやれば、確かに結果がついてくるが、いきなり限界まで極限のストレスをかけると、数週間、数ヶ月間は成長できてもその先の成長は鈍化してしまう。

それよりは、ゆっくりと負荷を増やしながら時間をかけて長期的に育成するほうが、結果的には多くの成果が得られる。あせって無理をして進めるのではなく、成長するための「筋力を貯金」しながら取り組むことの大切さが説かれている。

よってトレーニングをする際には、仮にステップ3や5から始めるだけの能力があったとしてもまずは、ステップ1から正しい動作を順を追ってこなしていくように紹介されている。これは自分でも実践してみて感じるが非常に有効な手法だと思う。

腕立て伏せであれば、きちんとしたフォームでステップ5のフル・プッシュアップをこなす自信はある。だけれども、この本に従ってステップ1から始めてみると壁立て伏せであっても、筋肉の動作やフォームをきっちり意識してやってみると結構なトレーニングになることが分かった。こうやって基礎から積み上げていくことが、この先のトレーニングを進めるために有効なのだろう。

また、トレーニングした日付と内容を必ず日誌につけるように勧めている。これも非常に効果的だ。自分がどのように進歩して来たかよくわかるからだ。このトレーニングでは、1週間単位でメニューを繰り返していくが、1週間まえに何を何回取り組んだか意外と忘れていたりする。そのときは先週の記録を振り返り、今週のメニューを設定することができる。

こういう大事なことは各種目のトレーニング法の解説のあと、本書の後半に書かれているので、かならず最後まで目を通してから始めよう。

4ヶ月実践した感想と、2018年11月現在のメニュー

4ヶ月で行ったのは、6種目のうち、プッシュアップ、プルアップ、レッグレイズ、スクワットの4種目。ハンドスタンドと、ブリッジは各ステップが4ぐらいに達してから始めたほうが良いと書いてあるので、その2種目は除いてスタートしている。

で、ステップはいずれもまだ「2」。だけれどもすごく効果的で、かなり筋肉がついてきた実感がある。このまま続けて行けば、1年後、2年後にはいい感じになっているのではないか、と思わず期待してしまう。

一応1週間のメニューはこんな感じ。

  • 月:スクワット ステップ2 30✕3セット
  • 火:プッシュアップ ステップ2 30✕3セット
  • 水:やすみ
  • 木:レッグレイズ ステップ2 35✕3セット
  • 金:やすみ
  • 土:プルアップ ステップ2 15✕2セット
  • 日:やすみ

ただし、出張だったり残業があったりすると、できない時もある。なので曜日はずらしたり、1日で2種目やってしまうこともある。1週間の間にこれだけこなせば良いと考えてやっている。

各種目は、長くとも20分くらいで終わるので、平日の夜、仕事のあとでも時間は確保できるし十分こなせる。集中力の面でも短時間で終わるのはよいと思う。

最初はこんなに緩い日程でいいのか、と思ったが実際やってみると十分効果が出ているし、このぐらい余裕があれば忙しくても続けられるので、当面この調子でいきたい。今後、ブリッジやハンドスタンドも取り入れるようになれば、

  • 月:スクワット、プッシュアップ
  • 火:やすみ
  • 水:レッグレイズ、プルアップ
  • 木:やすみ
  • 金:やすみ
  • 土:ブリッジ、ハンドスタンド
  • 日:やすみ

みたいな感じでいいかな。このあたりのメニューの組み方も本書の後半で何種類か提案されているので安心だ。

道具として買ったもの

唯一、器具として購入したのが懸垂をするためのバー。突っ張り棒の頑丈なやつで、ドア枠に固定する、「ドアジム」。¥3,000もしないで買えるが、しっかり使えるので助かる。

子どもたちの、遊具にもなりそうだが、鉄棒みたいにくるくる回ると緩んで落ちてしまうので要注意。

レビューはこちらから。

最近は体を鍛えるフィットネスや健康が一大ブームとなっています。ジムに通って体を鍛える人も増えていますが、一方で特別な器具を使わずとも体を鍛...

続編も出版されているので、おいおい読みたいが基本のトレーニングがまだまだ極められていないから、まだだいぶ先になるかなぁ。

関節・グリップと言った補助的な部分を鍛えるバージョン。

瞬発力やスピードを強化するバージョン。

どちらも読みたくなるね。

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