
脳髄はものを思うにはあらず 「知能はどこから生まれるのか」大須賀公一 を読む
ゴリゴリの制御工学者であった筆者が抱いた問い。それは知能の源泉とは何なのか、と言うもの。その問いを探るために筆者はムカデ型ロボットを作り、構成論的アプローチからその問いに迫る。そしてその武器は、哲学者フッサールが提唱した、「現象学」である。
生成AI×プロダクトマネージャー(PdM)×中小企業診断士。X(旧Twitter)は@KovaPlus
ゴリゴリの制御工学者であった筆者が抱いた問い。それは知能の源泉とは何なのか、と言うもの。その問いを探るために筆者はムカデ型ロボットを作り、構成論的アプローチからその問いに迫る。そしてその武器は、哲学者フッサールが提唱した、「現象学」である。
哲学者である著者がタコの生態の観察を通じて、単なる物質である我々にどのようにして知性や心が生まれたのかを探る一冊。タコやイカ等の頭足類が主たる題材ではあるが、そのテーマは頭足類を一つのモデルとして、生物や人間の心の在り方を問う挑戦的な内容だ。
ハードSF:砂漠の惑星で主人公たちが対峙するのは、非生物的な知性。生物である人間が、非生物的な知性との生存競争を戦うとき、人間の存在は相対化され新たな視座が与えられる。終盤でのリーダーの抱える孤独の重みにも心打たれた。