
書評:「よわいかみ つよいかたち」かこさとし 材料力学への誘い
幼い頃に読んだある絵本の記憶。記憶を辿るとかこさとし氏の「よわいかみ つよいかたち」に行き当たった。一枚の紙が、折り方によって断面形状を変えることで強度を高めることができる、というその内容。保育園の時に覚えた感動は今読んでも色あせない。
生成AI×プロダクトマネージャー(PdM)×中小企業診断士。X(旧Twitter)は@KovaPlus
幼い頃に読んだある絵本の記憶。記憶を辿るとかこさとし氏の「よわいかみ つよいかたち」に行き当たった。一枚の紙が、折り方によって断面形状を変えることで強度を高めることができる、というその内容。保育園の時に覚えた感動は今読んでも色あせない。
筆者はウイルス等を専門とする生物学者。題名からして科学哲学の本である。そして実際科学哲学を扱っているのだが、根底にあるのは、科学をどう扱うかということを通じて、「我々はこの世界でどうやって生きていくの?」という実存的な問いだ。
タイトルからして、〇〇術的な凡百のノウハウ本のように見て取られるかもしれないが、そのような本とは一線を画する知的好奇心を刺激する優れた科学読み物である。コンピュータ科学で磨かれてきたアルゴリズム的思考を用いて人間を考える良書。
「AとBの関係を調査した結果、相関関係があることが分かりました。」 このような報告は何かの調査結果などで良く目にします。 ...