哲学

仕事の話:PdM奮闘記

個人主義と社会をつなぐ糸──カンダタと泉新一が示す生き方

御釈迦様は極楽の蓮池のふちに立って、この一部始終をじっと見ていらっしゃいましたが、やがて犍陀多が血の池の底へ石のように沈んでしまいますと、悲しそうな御顔をなさりながら、またぶらぶら御歩きになり始めました。自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、...
仕事の話:PdM奮闘記

狭間を生きる「あいのこ」の感覚 ―『寄生獣』に見る企業内診断士の心理―

※本記事には漫画「寄生獣」の内容に関するネタバレが含まれます。漫画『寄生獣』は傑作だ。岩明均が描いた人間とパラサイト(寄生生物)との対比は、捉え方によって様々な視点をもたらす。なにも寄生生物に支配されなくても、人は様々なコミュニティで様々な...
仕事の話:PdM奮闘記

「生まれ変わっても今と同じ人生を生きたい」

「もし生まれ変わっても、この人生をもう一度生きたいですか?」ある経営者の言葉をきっかけに、ニーチェの哲学が腑に落ちた瞬間。知識として知っていた「永劫回帰」を血肉に変え、後悔しない人生を送るためのマインドセットを考えます。
哲学

苫野一徳「はじめての哲学的思考」がとても良いので紹介したい

哲学って何、そして何の役に立つの?この200年あまり、哲学はあまりにむずかしく、そして専門的になりすぎてきた。その壁を、僕たちはそろそろ壊してしまう必要がある。そしてこの力強い思考法を、誰もが自分自身の問題を考えるために役立てられる地図とし...
哲学

コウガイビルと環世界 ユクスキュル: 生物から見た世界

「客観的に記述されうる環境というものはあるかもしれないが、その中にいるそれぞれの主体にとってみれば、そこに「現実に」存在しているのは、その主体が主観的につくりあげた世界なのであり、客観的な「環境」ではないのである。」ユクスキュル著「生物から...
書評

書評:科学と非科学 その正体を探る 中屋敷 均

科学と非科学 その正体を探る (講談社現代新書)筆者はウイルス等を専門とする生物学者。題名からして科学哲学の本である。そして実際科学哲学を扱っているのだが、根底にあるのは、科学をどう扱うかということを通じて、「我々はこの世界でどうやって生き...
書評

書評:目の見えないアスリートの身体論 伊藤亜紗

潮新書 目の見えないアスリートの身体論 なぜ視覚なしでプレイできるのか本ブログでも紹介した「目の見えない人は世界をどのように見ているのか」の著者、伊藤亜紗氏による一冊だ。本書では、パラスポーツの中でも目の見えない方の競技ー 陸上、水泳、ブラ...
書評

視覚が無いから死角が無い?「目の見えない人は世界をどう見ているのか」を読む

目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)目あきは不自由なものだな幕末期に名を挙げた新撰組、その鬼の副長といえば、土方歳三である。その土方歳三の兄は、土方為次郎といった。目が見えない盲人ではあったが、非常に豪胆な人物だったそうだ...
書評

脳髄はものを思うにはあらず 「知能はどこから生まれるのか」大須賀公一 を読む

ノウズイはものを思うにものを思うにはあらずものを思うはものを思うはむしろこの街 大槻ケンヂ:筋肉少女帯「サンフランシスコ」 知能の源泉はどこにあるのかゴリゴリの制御工学者であった筆者が抱いた問い。それは知能の源泉とは何なのか、と言うものであ...
読書論

「本を読む本」を読む。その1:本を血肉とする積極的読書のすすめ

一生のあいだずっと学びつづけ、「発見」しつづけるには、いかにして書物を最良の師とするか、それを心得ることが大切なのである。この本は、何よりもまず、そのために書かれたものである。(M.J.アドラー、C.V.ドーレン、「本を読む本」)「本を読む...