ブログを始めてから(再開してから)1年間が経過した。仕事と育児に忙殺されながらなんとか続けてきたわけだが、お陰さまで当初の予定を順調に達成して継続することができたよ。本記事ではそのあたりの、経過や1年間の振り返りを備忘録を兼ねて書いてみる。これからブログを始める方や、挫折した方、挫折しそうな方は読むと参考になるかも。ちょっと長いけど読んでもらえたら嬉しいです。
目次
始めた動機
実はブログを書くのは初めてでは無い。学生時代の頃からずっとlivedoorで読書関連のブログを書いていたのだ。アクセス数は1日10PVも行けば多い方と言う、超弱小ブログであったが、出版社から何回か献本も受けていた。多分当時は時代が良かったのかもしれない。一部の記事は、当ブログにも受け継いでいる。投稿日付がポーンと数年前の記事は当時の記事の名残である。もちろん内容は見直してリライトはしているが。
再開した理由は、一つは経済的な理由だ。少しお小遣い稼ぎがしたかったから。もう一つは自分の人生に意味を与えるため。自分がここに書く言葉はすなわち自分の脳内の思考のコピーなのである。自分の思考の結晶である言葉を紡ぎ世に問いたいと言う思い、この世界に何かしらの爪痕をのこし、少しでも世界を変えたいという、超カッコいい目標を込めて、再開したのであった。
当初の経緯と目標設定
再開にあたって。livedoorは無料のサービスなのは消せない広告が勝手に入るのが不満であった。調べると「Wordpress」というツールで書くと自由度高くて良いらしい。
と言うことで、独自ドメインを取得し、サーバーを借りて開始。もちろんドメイン取得も、サーバーレンタルも人生初のことであった。Wordpressはアプリケーション自体は無料だが、ドメインの取得とサーバーのレンタルには費用がかかる。併せて10,000円ちょっとなので、一月あたりで見れば1000円ぐらい。しかも毎年継続的に費用が発生する。だが、それでも自分の城を作りたいという思いは強く、Wordpressを選択したのだ。
目標として定めたのはまず記事数。1年間で100記事を書くことを目標にした。1年で100記事なら、1月あたり、およそ8〜9記事かけば良い。と言うことは1週間で2記事である。仕事や育児をしながらでもこのペースなら現実的には達成できると予想した。
毎日更新はとてもできない。無理してやったとしても見るに耐えない記事が量産されるだけなのは分かっていたので、最初からそんなことは考えていない。専業でもなければ大抵の人は“価値ある”記事を毎日更新することなどできないのではないかな?
記事の内容は、昔からの趣味の読書を活かして書評を書くことにした。かつてのブログは自分の人生経験も少なく、文章力も無かったため、まず文字数が少なく内容も薄い、という自覚があった。そこで再開に際しては、
- 文字数は1記事2,000字以上。
- 個人的な実体験に絡めた記述、解説を入れる
- 他人に理解されるかどうかはともかく、自分の感性が反応したところを重点に書く
などの基本方針を決めた。と言うか書きながらそういう方向性が定まった、という方が実際だ。
PV数の目標は1年後に月間3,000PV(1日100PV)と定めた。それだけあれば、Google Adsenseと、Amazonアソシエイトでサーバー代、ドメイン代をペイできるはず。と踏んだ。
根拠はあんまり無いけど、前のブログの1日あたり10PVの10倍あればなんとかなるんじゃね?と言うヒューリスティックである。(実際この程度あれば1ヶ月で1,000円ぐらいは収益が出たので結果的には正しい見積もりであった。)
アクセス数の推移と収益化
最初3ヶ月は鳴かず飛ばず。これは予想どおり。しかし途中から思った以上に伸びだし、1年後には目標を大きく上回る月間10,000PV達成。こちらは完全に予想外だった。何度も書くけど昔やってたブログは1日10PVもあれば上出来なレベルだったので。
今のブログを書き出した頃、1日100PVを中期の目標としたけれども、まったく達成できる実感など無かった。それが達成できたのは素直に嬉しい。
収益化に関しては、Amazonアソシエイトは昔からのアカウントが有効だったので、まずこちらを主力に。こちらは前から使っていたのである程度読めるところではあった。
Google Adsense に大苦戦 審査20連敗
一方Google Adsenseはアカウントを持っていなかったのでまず審査から。ところが、なかなかGoogleの審査を通らず大苦戦。10回以上審査に落ちて一旦は完全に諦めた時期もあった。しかし、懲りずに何度も審査を受けるうちに最終的に審査をパスした。20回ぐらい審査を受けたんじゃないだろうか?期間は9ヶ月を要している。
Adsenseに関しては審査を落ちた理由も、パスした理由もあまりはっきりしないのが辛い。ネットに落ちている情報も玉石混交とおもわれ、クソ情報も多い。ここは完全に粘り勝ちである。普通は諦めるんじゃなかろうか。とにかく良かった。その一言につきる。
そんなこんなで苦労して導入したAdsenseだけど、使い方の研究をサボったので、広告の配信は「自動配信」を選択。GoogleのAI様が、ブログの構成を分析して自動的に広告配信、表示位置を最適化すると言う触れ込みの機能である。自分で研究して最適化する時間を取れなったのでとりあえずこれで3ヶ月使ってみた。
ところがこれが大失敗で、予想よりも遥かに低い収益しか上がらないのである。
導入から3ヶ月経ち、一向に改善されないため、ついに自動配信を辞めて手動で広告位置を設定。そしたら、これが効果抜群!それまでの3ヶ月の稼ぎをたった1週間で上回ってしまった。物事には有効な正しいやり方があり、それを適切に実施すればパフォーマンスは一気に上昇させることができる、そう思い知った瞬間であった。
なお、なぜ自動配信が上手くいかなかったか、と言うと単純に広告が表示され、目に入る頻度が足りなかったからのようだ。広告の表示位置が記事の下の方であり、しかも表示数が一つしかなかったのである。
手動配信では、記事の中で目立つ比較的上の方に一箇所表示、その他に記事の終わりのところにも二箇所表示、という感じに変更。これで一気にクリックレートが上昇した。
広告が目立つとカッコ悪い?そこは価値観によるが、私は名よりも実を取りまっせ。そういうのは経済的に十分な結果を残してからの話だと思っている。
トラフィック分析
検索エンジン主体で95%以上。SNSはtwitter(@KovaPlus)を使用。こちらはまだまだこれから。記事の後半にも書くが、Googleの検索アルゴリズムアップデートのリスクを避けるためにもSNSの強化は重要である。現代のブロガーはブログの充実はもちろん、同時にSNSの育成も必要なのだ。
運営について
どんな記事をかけばいいのか
アクセスを得るために何を書くか、と言う観点で言えば書評は全くアクセスが取れないことが判明。私の実力不足かも知れないが。
人が検索でなにかを調べるとき、多くは問題解決のための情報を期待するのだ、ということをブログ運営では痛感している。だからすぐに役に立つ情報は強いのだ。当ブログでいえば、CASIOの腕時計BABY-Gの電池交換ハウツー記事のような記事だ。毎日100PV以上はアクセスがある。
毎日毎日、世の中にそんなに電池交換したい人がいるということは驚きだが、それだけBABY-Gと言うプロダクトが世の中に普及し、使われているということだろう。アクセス数を稼ぐなら、多くの人が興味を持つデカイキーワードを狙って、先人達に臆することなく勝負することが大事、と本記事からは感じている。
例えば、書評にしても、どういう人にオススメできる、とかターゲットを考えてやるべきかも知れない。あるいは「勇気を出して挑戦したい人に読んで欲しい本5冊」みたいな記事を書くべきかも。セールスライティングを意識して書いたほうが良い。よっぽどの有名人か、自分自身のブランディングができてからでないと自分の自己満足のための記事はなかなか読んでもらえないのだろう。
だけど、アクセスを取るために書くべき記事と、自分がブロガーとして書きたい、表現したい記事というのは、同じではないものだ。
アクセスは大事だが、アクセス数が全てというわけでも無い。自分の思想 キャラクター、人間性を語る。自分の人生を通じて世の中に少しでも変化を与えられる。そういう経験をブログを通じてするとき、自分はブログの可能性を感じるのだ。
例えば、「無知の技法Not knowing」と言う以下の本は、未知の世界に挑戦する人にとって、とても良い本だと思うのだが、どうもAmazonのレビュー数もそんなに多くないし、あまり世間でも注目されていない気がする。当ブログでの書評記事も全然アクセス数は無い。残念ながら。
だけど、この間ついに当ブログのリンクから一冊Amazonで購入していただけた。この一冊の売り上げというのは数円にしかすぎないのだけれども(中古本の購入だったため)、自分が本当に推したい物を、自分の言葉を使って他人を動かし買ってもらう、と言うこの経験は嬉しくて忘れ難い思い出となっている。
自分の記事が他人の人生を変えるということはとても印象深い体験である。
他にも、食洗機を設置するために、システムキッチンにドリルで穴開けする記事も自分にとって意味は大きい。結構な人がこの記事を読んで、穴開けの工具を買っていくのである。私の記事に刺激を受けて、大事な家財道具に穴開けしようとチャレンジすることを選択したのだ。金はかかるが業者に頼めば済む話を、あえて挑戦してみるよう私の記事が背中を押せたのであれば、それはとても嬉しいことである。
アクセスが伸びないと思った時は
ブログは結果が出るまでに時間がかかる。一つの記事を投稿してからアクセスが増えるまでに平気で1〜2ヶ月はかかる。下手すれば半年とかかかる記事もある。このあたり筋トレやダイエットによく似ていると思う。筋トレもすぐに結果はついてこない。長い期間継続し続けることが大事。すぐにでもバズる可能性のあるTwitterとは違う。そのかわり、価値のある記事は長く残りつづけ、継続的にトラフィックを稼いでくれる。
よく言われることだが、始めてから数ヶ月のうちはアクセス数をチェックする意味などない。仮にチェックするにしても、1日単位で見るのではなく、1週間、1ヶ月単位での数字の変動を見るべきである。あまりにも母数が少なすぎる統計データなどとても信頼できるものではないのだから。
SEOの裏の影 過剰適応の罠
あまりSEOにこだわるべきではない、と考えている。SEOとはSearch Engine Optimaisation の略で、直訳すれば「検索エンジン最適化」である。検索エンジンでの表示順位を上げるための種々の対策の事を言う。対策によっては検索エンジンのシステム仕様面の特性を突いたりして表示順位を上げることを画策したりしているようだ。しかし、過剰なSEOは諸刃の刃ともなる。
ブログを再開するまでは知らなかったことだが、Googleの検索アルゴリズムは1年に数回見直されアップデートされる。これをブロガー業界では「アプデ」と言うが、この度にTwitterはブロガーの阿鼻叫喚の声で埋め尽くされる。これはアプデによりアルゴリズムが変わり、最適化したはずのブログが検索上位から圏外に叩き落とされた物達の怨嗟の声なのである。しかしこれは過剰な最適化の副作用であり、生物進化で言うところの「過適応」の状況に他ならない、と考える。
ある環境に最適化し、過剰に適応してしまうと、いざその環境が変化した時にその生物種は存亡の危機に陥る。環境に適応的に進化した結果、牙が過剰に伸びたサーベルタイガーや、マンモスは結局環境の変化に適応せずに絶滅した。生物の進化の教訓は今日のブログ運営にも同じ教訓を与えているのではないだろうか。
仮に、最適化をするにしても、Googleの検索アルゴリズムに対して最適化するのではなく、検索を使用する人間の心理に対して、適応した記事を考えるべきだろう。そういう意味では、Google search console を使い、検索エンジンに入力されているクエリの内容を分析する事は有効だろう。
あくまでも個々のクエリを入力するのは人間であり、検索エンジンではない。検索アルゴリズムは一夜にして変わることがあろうとも、人の行動原理、考えることは一夜では変わらない。そしてその結果入力されるクエリも変わることはない。ならば、その人の心理に着目して記事を書く、と言う意味での最適化には普遍的な効果を期待できるのではないだろうか。
SEOに代わる集客術 SNSの活用
そして、いまブロガーに求められるのは、検索エンジン以外のPV獲得手段である。端的に言えば、Twitter、Instagramに代表されるSNSである。この辺りはTwitterでフォローしている、「クロネコ屋」(@NINJAkusokuso)さんが詳しい。フォロワー数60,000越えのビッグネームだ。
しかしそのツイートを見れば、これだけのフォロワー数がいるのも当然であると分かってもらえるだろう。ほかのブロガーとはツイートの内容が明らかにレベルも質も異なるのだ。この人はすごい。フォローしておくと良いです。本当に。
他人を研究しすぎると、自分の色が薄れてしまう気がして、あまり他人の意見を鵜呑みにしすぎないようにしている。そのため他のブログや書評は意識して遠ざけているのだが、この人はガチだ。そう確信している。
私自身はSNSの活用はまったく出来ていない。まだこれからなので、伸び代があるという風に前向きに捉えておこう。
継続させるために必要なことは?
ブログをエンジョイすること
最終的に思うことは継続させることの重要性である。継続こそが力、だからそのためには好きなことを書くのが良いのではないかな?と何より思う。
手段の目的化に陥らない事。結局ブログを書くことをガチで楽しむ、「エンジョイ勢」でいることが大事じゃないだろうか。
そして初心を忘れないこと。最初は1日のPVが0の日が何日も続いたりするもの、それでも自分の書きたい記事を頑張って書いていくものでしょう?その時の気持ちを忘れずにいれば、多少のアクセス数が減ろうとも、「それでも、まだこんなに見てくれる人がいるんだ!」と思えるさ。
オセロ理論
さらに個人的に提唱したいのは「オセロ理論」である。例え更新できない日が続いても、今日今から更新すれば、オセロみたいにその間の期間だって、継続して頑張ってたことになるんじゃないの?最後に石を置いてその間をひっくり返しておけば、それまでの過去も継続していたことに出来るさ。
例えば○が更新した日、●が更新できなかった日を表すとしよう。最後に更新してから6日間更新が無いとこんな感じになる。
◯●●●●●●
でもここで、7日目に更新すれば、
◯●●●●●●○
になる。そしたら、ブログは挫折せずにきちんと1週間続いたとカウントしようじゃないか。
◯○○◯○◯○◯
という風にオセロのように記事と記事とで挟まれた期間は記事が無くったってちゃんと“継続”しているんだよって思えばいいんだよ。
毎日更新する必要などない。誰かに強いられてやっているものではないのだから。
プリズナートレーニングの「貯筋」に学ぶ、長続きのコツ
最後にもう一つ継続させる上で重要なこと。ここでも筋トレの考え方が参考になる。筋トレ本「プリズナートレーニング」の一節を紐解けば以下の通り。
シンプルに言ってしまえば 、確かにトレ ーニングを激しくやると結果がついてくる 。だから 、トレ ーニ ーの多くは 、できるだけ激しくトレ ーニングすることが 、大きくて強くなるための最速の方法だと考える 。
ところが 、平均的なアスリ ートが自分を極限まで追い込むことには数々の欠点がある 。体を疲弊させ 、モチベ ーションを奪い 、関節にストレスをかけるからだ 。
極限のトレ ーニングは 、おそらく数週間あるいは数か月間にわたって好ましい成長をもたらす 。しかし 、その後 、体が反抗し始め 、進歩が止まる 。トレ ーニング量が過剰で 、薬物を使わないと 、体が持ち合わせている筋肉や筋力を増やすエネルギ ーは瞬く間に枯渇する 。
適度なトレ ーニングは 、限界までのトレ ーニングと比べると 、最初は結果がともなわないように見える 。しかし 、長期にわたって結果を導き出し続けることができる 。何か月かが過ぎると 、限界までのトレ ーニングで燃え尽きたアスリ ートと比べ 、その控えめな積み重ねが多くの筋肉と筋力に結びついている 。
ポール・ウェイド著 「プリズナートレーニング」から
これをプリトレ界隈ではこれを「貯筋」と呼ぶが、貯筋の考え方はそっくりそのままブログにも有効。急激な成長を期待して、無理しても燃え尽きてしまう。あえて書かないことで、脳の中の“内圧”を高めよう。
そして自分のペースで自分の書きたいことを書いていこう。それでいいんです。だって元々ブログってそういうものじゃないですか。