家族が3人から4人になったら幸福感は何倍になるのか?

家族の数と、組み合わせのバリエーション

家族が、3人から4人に増えるとき、人数は1.3倍に増えるわけだが、家族の喜びや幸せはもっと増えるという実感がある。定量化することは不可能なのだが、考えてみた。
 これは結局、家族の構成員間の組み合わせの数が増えるから、というのが一因としてあるのではないか。「組み合わせ」とは数学の授業で習ったもので、 m 個の異なるものから n 個選ぶ方法(組合せ)の数の事である。これは、mCnのように表される。「C」はCombination(コンビネーション)のC。

例えば、家族3人のときの組み合わせは、3C2=(3×2)÷(2)=3である。
これが、家族4人のときは、4C2=(4×3)÷(2)=6となる。
家族5人なら、「10」となる。


家族が1人増えたことで、組み合わせは2倍の6に増えた。2人増えれば、約3倍の10にまで増える。

組み合わせが増えると何が嬉しいか、これはコミュニケーションの種類と量が増えるからではないか。それだけ複雑さが増し、深みが出てくる。いろいろな個性があることで、豊かさが増すと考えられる。ある環境に生息する生物の多様性が、豊かさを生むように。

ブログの運営においても、記事数が増えていくことで、多様性が生まれてくる。記事数が1件増えることによるブログ全体への価値向上は、上の家族の例と同様に組み合わせの数で利いてくるのかもしれない。

組織における人員増とコミュニケーション負荷

家族であれば、常時一緒に生活する人数は10人ぐらいが上限ではないかと思われるが、これがもっと増えるとどうなるか。
例えば企業も家族のように運命を共にする集団である。創業当初7人で立ち上げた会社があったとする。このとき、組み合わせの数は、

7C2=(7×6)/2=21


これが、規模拡大し100人に人数が増加したとすると、組み合わせは


 100C2=(100×99)/2=4950


人数は、14倍の増加だが、組み合わせの数は236倍に増えている。
家族の場合、コミュニケーションの複雑化は組み合わせが増えて深みが増す、で済んだが
企業の場合は、効率を落とす原因となる。100C2というのは、100人の中から、2人ずつのペアを抜き出す場合のあり得るペアの数である。1対1で情報交換する場合、これだけの組み合わせがあり得るが、これではとても仕事にならない。

対策としては、組織化して、情報の流れや命令の伝達を整理することが一般的である。

ところが、組織には組織の問題がある。情報の流れを整理することの弊害で、情報を伝達する際に、様々な経路を経由しなければ情報が伝わらないことが挙げられる。いわゆる縦割り化というのもこれである。

これを物理的な紙を使って伝達するとさらに拍車がかかる。2Fから3Fに情報を伝えるのに、1週間かかることもざらにある。創業当初、極少ない人数で会社を立ち上げた草創期の先輩方は、よく担当者同士相談して進めればよいんだ、というが、その担当者同士の組み合わせが非常に増えてくると、このコミュニケーションにかかるコストが非常に重い負荷となるのだ。

その結果、良くわからない長時間の会議が増えたりすれば、もう目も当てられない状況になる。

そこらへんを解決するために活用されているのが、slack等のビジネスチャットやチームコミュニケーションツールである。私もslackを職場で使っているが、非常に便利である。

でも、新しいものには拒否感を持たれる方もつきものである。私の職場でも、敬遠して使わない方がいらっしゃる。でも、電子メールだって出始めのころはきっと敬遠されたんだろうけど、今ではビジネスに欠かせないものになっている。写真機だって、日本に輸入されたころは「魂が抜かれる」と言っていた人たちだっていたんだ。そのうち、このようなツールも当たり前に使用される時代になるだろう。

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