中小企業診断士 実務補習やってみた

実務補修受けてきた

1次、2次の試験に合格しましたが、中小企業診断士として登録するには15日間の実務補修を受ける必要があります。23年7月8月9月の3ヶ月で5日間コース×3回を申し込んだのでこれで必要日数を満たす予定。まずは23年7月の5日間が終了したので概要をまとめます。かなりの乱文ですがご容赦ください。

実務補習の流れ

実務補修では補修を受ける参加者5~6名がコンサルティングチームとなり、指導員の先生の指導のもと実際の中小企業の経営診断を5日間で行い、診断報告書を作成します。

大まかな流れを下の図に示します。

事前調査

実務補修が始まる少なくとも4~5日前には指導員の先生からメールが送られてきます。メールには今回の診断企業の名前や概要などの情報が書かれており、事前調査の内容も指示されます。私の場合は開始日の10日前ぐらいにメールが送られてきました。これはかなり早い方のようです。

開始1週間前くらいにzoomで全体のミーティングが行われました。ここで全体の顔合わせと班長を決定しました。実務補修3回のうち、必ず1度は班長を経験しておきたいと考えていた私は班長に立候補し、メンバーの専門分野や全体のバランスも加味して私が班長と決まりました。

指導員の先生から初日の「社長ヒアリング」に向けて、残りの1週間でスケジュールを決めて準備するように指示があり、そこからチームでの作業が始まりました。

ヒアリングは、限られたヒアリング時間で何をヒアリングするか、事前に質問項目を準備することが大事です。協会作成の数百項目にわたるヒアリングポイントを参考に、各メンバーの担当分野ごとに質問案を考えることにしました。

質問案は協会が用意したdropboxのエクセルに書き込み共有しながら進めました。先生からも適宜進捗状況がチェックされ指導が入ります。なんとか前日までにヒアリング項目案を挙げることができましたが(ただしまだ素案でアイデアぐらいのものが90個)、正直ここまででかなり疲労しました。

社長ヒアリング

ここでようやく実務補修の初日を迎えます。初日は都内ビルの貸し会議室に朝から集合。ここで初めて各メンバーや先生とリアルでの対面をします。とても顔合わせはとても楽しみでした。

ヒアリングは午後2時開始。

まだヒアリング項目は素案レベルなので午前中のうち精査してまとめる必要があります。

2時間のヒアリングで質問の個数は18個が目安とのことなので、90個の質問案を18個に絞り込む必要があります。移動時間も考えると使える時間は90分程度。スピード勝負ですが、チームプレイでなんとかまとめました。優秀で頼りになるメンバーでした。

昼食をとりながら移動して客先へ。ヒアリング開始します。ヒアリング項目を過不足なく聞き取れるよう時間配分に注意してファシリテーションしながら進めます。また現場の見学も合わせて行いました。結構バテバテでしたが何とか乗り切りました。

今になって思えば、もっと突っ込んで聞きたいところを聞くべきだったと思いますが、お互い初対面で先方との信頼関係がない状態のため、やりづらさはありました。少し警戒されていた印象です。

結果的には先生から、良いヒアリングができたと思う、と講評いただき安堵。2日目へ。

現状分析

貸し会議室にて2日目開始。

メンバーの一人が完璧な議事録を作成してくれていたので、それを読み合わせながらヒアリングの振り返り。現状の情報の整理を行います。各メンバー間の認識のずれや理解度の差を修正します。

SWOTや5F、アンゾフの成長マトリクスなどの定番フレームワークが登場。

ヒアリングの際に聞いていた社長の考える将来像や、直近のビジネスチャンスなども大事です。

2日目では現状分析から課題抽出、診断報告書全体のシナリオ、大まかな提言までをまとめます。2日目から3日目までの間は1週間の期間があり、その間は各自で報告書の執筆や、追加での調査を行うことになります。各自での作業ができる程度まで、ブレイクダウンされていることが望ましいです。

課題抽出

2日目以降に議論します。

提言

2日目以降に議論します。

報告書作成

各自で分担して3日目までに素案を作ります。3日目は全体を読み合わせ、抜けているポイント、考察が不十分な点がないか、全体の構成に齟齬がないかチェックします。適宜、現状分析や、課題抽出、提言等のフェイズに戻りながら繰り返して品質を上げていきます。

私の担当範囲では3日目の夕方の時点で宿題が3つできたので、帰ってからヒーヒー言いながら追加修正を行いました。なお班長は担当分野の他に全体の統括や、最初のまとめのところを書かなければなりません。この日は結構大変で遅くまで作業しました。

4日目も同じ。4日目の午後には最終的な報告書に仕上げますが、4日目の午前中のレビューでも先生からの指摘で修正が発生したのでかなり慌ただしく感じました。

形式審査

5日目は最終日。企業への報告会がありますが、企業に行く前に診断協会の事務局に報告書を電子データで提出する必要があります。この時に書類審査を受けますが、基準を満たさない場合受理されずその場で修正しなければなりません。私の報告書でも不適合部分が出てしまいましたが軽微な内容だったので、すぐ修正して事なきを得ました。

報告会

各メンバーで分担して自分の執筆した箇所を報告します。皆さんとても輝いていました。先方にも喜んでいただけたようでよかったです。

報告書の構造

報告書の基本的な構造を下の図で示します。

やってみた感想

上手くやろうとしない

上手くやろうとしない、うまい方法、効率よく一発でやろうとしない。銀の弾丸は存在しない。まず地道に手を動かすことから。

1次や二次を合格して「賢い」人たちであるがゆえに、スマートに一発でゴールを目指そうとしちゃう。ヘーゲルの弁証法流に、素案から練って称揚させてくイメージでやればよい。

最悪、下手くそなら時間と作業量で貢献するしかない。

だけど時間は区切ってスケジュールを決めて、集中して達成する。スピード感を意識する。短い時間でもやればできる(こともある。) 今まで普段の生活でのんびりダラダラやってただけ。

やる前からあきらめない。手を抜かない。苦手意識があったり未経験の分野でもまずは手を動かす。やってみれば意外と何とかなる。せっかくの練習の機会なのにサボったら成長できない。

本質的に価値を生むことは何か

本質的に価値を生むことに集中する 指導員の先生から言われた言葉。普段の仕事でも価値を生むことに集中して作業できているだろうか。仕事風の何かをしているだけになっていないか。

中小企業診断士の役割は組織の成長・発展に資する提言。銀行の審査じゃない。社労士でもない。

ある経営指標が悪いとして、どうやってよくするかだけを考えるだけじゃない。

なぜ悪いのか?事業に課題、問題があるのか、それとも事業構造による必然的なものか?比較対象は適切なのか?そもそもそのKPIを採用することは妥当なのか?

実務補習は教育の一課程

これは教育の過程なので、独創的、オリジナリティある提言ではなく「中小企業診断士としての基本」に忠実な提言をすればよい。要は1次試験、2次試験で得た知識を実地に応用するということ。それ以上のものは要求されない。ただし、1次、2次の知識が身についてる必要はある。

報告書で何書いたら良いかわからないときは教科書的一般論から書いていく。現状の運用が教科書的一般論と一致しているなら、それはそれで良い。「一般論に従って合理性を持って運営されていると診断します」も一つの診断結果。

GPTのアシスト

辛い時はGPTに助けてもらった。

「中小〇〇業において、××を用いて△△を行う場合のメリットとデメリットを5点ずつ挙げよ」

でアイデア出し。さらに

「デメリットを解消するための施策を5点考えよ」

で施策を検討。中小企業診断士としての観点から、回答を精査し報告書に落とし込む。非常に有効。

1次、2次試験を終えさらに道は続く

1次、2次の次は実務補習の壁。さらにその先に、診断士としての能力を高める無限の道程が続く。

先生曰く、成功ロールモデルの1つはずっと社内診断士でいる事。
焦って独立しても、顧問先から3か月で首になる。なぜか?3か月で初期に発見した課題を全て解決してしまい、ネタを全て使い切ってしまうから。協会経由で、補助金の審査業務を行い引き出しを、経験を増やす。10年間で300~500件くらいが目標か。

1次、2次合格してると周りからはすごいね、がんばったね、と称賛されるが実務補習に行けば、それは全て当たり前の前提になる。試験に合格したから、資格を取ったからどうこうではない。その人が優秀か、能力を持つかどうかで決まる世界。経営コンサルタントを名乗るのに資格は必要ない。

今回は指導員の助言のもとチームで行った診断を熟練者なら一人で実施し、より優れた分析、提言を行えるはず。プロの中小企業診断士の道は長く険しい。

自分は何者か

今回のチームは自分以外全員文系の人。普段職場ではエンジニアに囲まれて生活しているので意識していないが、自分が”技術者”であることを強く感じた。また”技術者”であることで提供できる価値がたくさんあること、自分の高等教育や職業人生においてしっかりとした専門性が育まれてたことに気づいた。

本を捨て街へ出よう

コンフォートゾーンを出て他流試合を。2週間くらいの経験だったけど数年分の経験値を得た感じ。継続して外との交流を。めげずに前向きに、挑戦を。そのためのパスポート。勇気を出して前に進もう。

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