ホリゾンタルプルと握力:最弱リンク理論に学ぶ

トレーニーの皆さん、こんにちは。プリズナートレーニング楽しんでいますか?今回はプルアップのステップ2「ホリゾンタルプル」を題材に、筋トレについて思うことを書いていきたいと思います。なお、これを読んでもホリゾンタルプルが楽にクリアできる、という記事ではないので悪しからず。

ホリゾンタルプルのコツに対する考察は以下の記事です。ご参考まで。

プリズナートレーニングで初心者殺しとなる「ホリゾンタルプル」。うまくクリアするためのコツを力学的解析から導きます。正しいフォームで、無駄なくプルアップの強化を行うために注意するべき点とは?

プルアップ系は握力がきつい

プリズナートレーニングに限らずですが、プルアップ系の種目をトレーニングする際に、必ず問題になるのは、背筋や上腕よりも握力が先に限界を迎える、という点ではないでしょうか。一般的にプルアップで鍛えたいのは背筋や上腕の筋肉なのに、そっちに十分に効かないうちに先に握力がいっぱいいっぱいになってしまい中々レップ数が伸びない。なんとももどかしい状態ですよね。

これは多くのトレーニーが経験していることだと思います。そのため、下記のような握力補助器具も販売されています。

このような補助器具を使えば、握力の限界を引き上げ、プルアップでより効率よく効かせたい筋肉に刺激を加え鍛えることができる、ということのようです。

トレーニングのやり方や、目的は人それぞれですので、このような器具を使うやり方を一概に良いとも、悪いとも決めることはできないでしょう。しかし、自分の主義から言えば、このような器具で握力を補助してプルアップを行うのはちょっと違うかな、と思います。

なぜなら、「自分の貧弱な握力も全て含んだものが自分の実力であり、器具で弱い部分を補ってしまえば、その弱さと向き合う機会をなくしてしまうから」、と考えるからです。

鎖は最も弱いところで切れる:最弱リンク理論

「鎖は最も弱いところで切れる」という言葉があります。鎖の両端を引っ張って力を加えていったとき、鎖はどのように千切れるのか考えてみてください。必ず一番弱いつなぎ目から壊れて千切れていくのが想像できるでしょうか。どんなに強いリンクで繋がれた鎖でも、弱い箇所が一箇所でもあれば力を加えられたときにはその場所から壊れてしまうものです。

これは我々の体づくりにおいても、言えることではないでしょうか。鍛え上げた上腕や、背筋を以ってしても、握力が十分でなければその能力を最大限発揮することはできないのです。いや、むしろ自分のパフォーマンスは、肉体の中で一番弱い箇所により律され決定されていると言っても過言ではないでしょう。

この「鎖は最も弱い箇所で千切れる」という考え方は、工学の分野では「最弱リンク理論」と言われ、金属材料や複合材料などの強度解析の分野でも用いられている考え方です。つまり、工学的にも材料や構造部材の強度は最も弱い箇所で壊れる、構造の性能はその構造の最も弱い箇所で決定される、という考え方が科学的に支持されている、ということになります。

参考:最弱リンク説について

ビジネス書でも

このような考え方は、工学だけで使われているだけでなく、ビジネスの世界でも常識となっています。例えば下記の「ザ・ゴール」と言う著名な物語仕立てのビジネス書でもその考え方が登場します。

主人公はとある機械メーカーの工場長です。彼は工場の生産効率を改善するべく、色々な努力をするのですが、その中で鍵になるのが、「クリティカル・パス」の発見と対策です。工場はある工程から、次の工程へといくつもの工程を経て物づくりを行なっています。その中で、最も生産効率の悪い工程、それが「クリティカル・パス」です。他の工程よりもまず、クリティカル・パスの効率を徹底して改善することで、足を引っ張っていた部分が解消され、工場全体の効率向上に繋げることができました。

まさしく、鎖のうちの一番弱い箇所をみつけ、それを強化することで、鎖全体の強度を大きく向上させることができる、最弱リンク理論のビジネス応用例と言えるでしょう。

気長にやっていこう

もし、ホリゾンタルプルなどのプルアップをトレーニングするとき、一番最初に握力が悲鳴を上げるのならば、それが自分の鎖の一番弱いところなのです。そこを器具で補うのではなく、トレーニングにより強化していこうではありませんか。レップ数を稼ぐことが目的ではなく、肉体を鍛えて強化、成長させることがトレーニーの目的なのですから。

そのためには徒に、トレーニングの難度やレップ数にこだわりすぎず、気長に肉体を鍛えていく、そんな心の余裕が必要なのではないか、そんなふうに感じている私です。

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