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カッティングシートでステッカーの自作
カッティングシートは、水や日光に強い粘着シートで、様々な形に切り抜いて貼り付けることで看板や店舗のロゴ、社用自動車のマーキングなどに使われています。通常、専門業者にて専用の加工機を使って制作されますが、自分でも手間をかければ安価に制作することができます。しかもそんなにむずかしくない。本記事では、カッティングシートで自転車用のステッカーを制作する方法を紹介します。
必要なもの
カッティングシート
必要なものの筆頭は、もちろんカッティングシート。ネットでも買えますが、大きめの文具店や、画材店、ホームセンターなどでも売っています。50cmあたり幾ら、みたいな感じ。今回は八王子の文房具店、ヒノデンさんで購入。50cm角で500円。
ネットで買うよりだいぶ割安。
カッティングシートの筆頭ブランド?の中川ケミカル製で、品質も安心だ。
デザイン
何をステッカーにするか、デザインが必要。コピー用紙などに実寸で書いておきます。後々切り抜いてしまうので、必要な場合はコピーしたものを用意しましょう。
私は、神林長平作「戦闘妖精雪風」の「雪風」マーキングをチョイス。ネットで見つけた画像を印刷して用意。
アートナイフ(デザインナイフ)
カッティングシートを切り抜いてステッカーを作る。切り抜くとき何を使うか、いわゆるカッターナイフでも作業はできるが、できればアートナイフを使いたい。細かい作業のしやすさ、曲線の切りやすさ、そして刃の切れ味の良さがやはり段違いである。オルファ製が有名。
カッターマット スティックのり
ナイフなりカッターなりを使うので、机を傷つけないためにはカッターマットが必須。無ければ不要になった厚手の雑誌なんかでも代用できるがやはり、作業のし易さが全然違う。結局制作物の品質にも繋がってくるので、ちゃんとしたものを使いたい。
さらに、スティックのりも用意する。弱粘着性のものが望ましいが、無ければ普通のでもいける。
マスキングテープ
最近はすっかりおしゃれ雑貨ぶっているマスキングテープさんにも働いてもらう。ちゃんとしたメーカーの物はやはり使いやすい。100均などではなくホームセンターなどで売っている3Mや、日東などのものが欲しいところ。私は日東製を使っている。
その他
細かいデザインを切るなら、ピンセットがあると便利。必須ではないが。
カッティングシートの切り抜き
いよいよ作業に取り掛かろう。まずは、適当な大きさに切り抜いたカッティングシートにデザインを書いた紙をスティックのりで貼り付ける。後で剥がすことになるので、作業中ずれない程度についていればよし。あまりがっちりくっつけてしまうと難儀することになる。
続いて、カッターマットの上にセロテープでカッティングシートと、デザインを書いた紙を合わせて貼り付けて固定する。このほうが作業しやすい。・
あとはアートナイフを使って、図案の部分を切り抜いていこう。昔、縁日の屋台には「型抜き」というのがあった。せんべいみたいな薄いお菓子を材料として、そこから指定の図案を切り抜く。うまくいけば賞金が手に入る、という遊びだったが、あの「型抜き」がごとく丹念に図案を切り抜いていこう。
アートナイフの刃の切れ味が重要。新品の刃を下ろして作業するのが吉。カッティングシートの台座?の紙まで切る必要は無い。表のコピー用紙とカッティングシートまでが切れていればそれでOK。下地まで切るとバラバラになってしまうのでやりづらくなる。この辺り、文章で伝えるのは難しいが、いずれにせよやってみればわかることだ。手を動かしてやってみよう。
細かいところも慎重に。今回サイズが小さいことも相まってなかなかの細かさでしんどい。
何とか一通りきりぬいた。まぁ趣味の製作品だし、ある程度のミスも許容するというか、アバタもエクボと言うメンタリティが必要だな。
切り忘れた箇所が無いか、よくチェックしておこう。
切り忘れが無かったら、のりで貼り付けたデザインを剥がしていく。うまく紙だけ剥がして、カッティングシートは台紙に残すように。細かいところはピンセットやアートナイフで紙を丹念に取り除こう。
何とか剥がし終えた図。一通り紙が剥がれると、ナイフでカットした箇所がよく見えるので、再度切り残しがないか、チェックしよう。
ここまできたら一安心。
マスキングテープに移植
次は、マスキングテープを用意。切り抜いたカッティングシートをマスキングテープに貼り付けて移植する。
まずはマスキングテープをシートの前面にはりつける。細かい部分がくっついているよう、しっかり貼り付けて確認しよう。
そうしたら端っこから、ゆっくりとめくっていく。
こんな感じで、切り抜いたカッティングシートの部分だけ、マスキングテープに移し取るように。デザインが崩れてバラバラにならないよう、ゆっくり確実に移植するように作業しよう。
「風」がうまくマステに移りました。上出来上出来!
全部移し取り終えた図。
あとはいよいよ、貼り付けだ。
貼り付け
貼り付けるターゲットの表面に、ゴミや油分が無いように綺麗にする。その後、マスキングテープごとカッティングシートを目当ての場所に貼り付けよう。
このとき位置ぎめは慎重に!基本的に、一回貼り付けたら位置の調整は難しい。一発で狙いの位置に貼れるように集中して貼り付けてほしい。
位置が決まったら、カッティングシートがしっかり張り付くように、指の腹でよく抑えつけよう。この後マスキングテープを剥がすわけだが、その時ちゃんとターゲットに張り付いていてくれるようにね。
しっかりと貼り付けたらマスキングテープをゆっくり剥がしていく。カッティングシートがマスキングテープの側についてきていないか、細かいデザインがテープの粘着剤に引っ張られて破けていないか、ゆっくり確認しながら剥がしていく。
せっかくここまで作業してきたステッカーが、最後の工程で台無しになっては目も当てられない。昔の人は言いました。
急いては事をし損ずる。
今こそこの言葉を胸に、慎重に。
完成!
完成!上出来上出来!プラモデルもそうだが、組み立てして、塗装済みの状態から、デカールを貼る事で一気に見栄えが良くなるもの。ステッカーもまた同様に、一気にテンションが上がる。
ちゃんと業者に頼めば、よい品質のものが、手に入るわけだが自分で手を動かして作成するのもまた一興。時間は掛かるが安く上がるし、なにより愛着が違ってくる。
カッティングシートでステッカーを自作するのは、工具的にも費用、時間的にも敷居が低いと思うので是非お試しアレ。
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今回ステッカーを貼り付けた自転車。Surly Steamroller号。部品の自家溶接→自家塗装をくぐり抜けて生まれ変わった姿の紹介。
戦闘妖精雪風の「雪風」マーキングはブッカー少佐の揮毫だ。原作版では達筆すぎて日本人にも読めない、とあるが、OVA版のデザインはそこまで崩してもいないね。そんなブッカー少佐の沁み入る言葉。