身近な薬物依存といえば、アルコール依存症、ニコチン依存症(喫煙)などなどありますが、実はコーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインも強い依存症をひきおこす薬物です。
慢性的なカフェイン中毒=カフェイン依存症については次の記事にまとめています。
本記事では、「カフェイン依存症をどのように治療し、克服するか」について、私自身の体験談からその方法を紹介します。
治療前の状況
まず、治療前の状態について確認しておきましょう。
私の場合、一日にマグカップで3~4杯のコーヒーを朝、昼、夕、晩、ひどいときは寝る前に、また軽いエナジードリンクなどを常用し、それでも疲労のため頭痛を感じる日は市販の頭痛薬を飲んで生活していました。カフェインの摂取量としては500mg程度と見積もられます。成人男性の基準からすると、大きく逸脱はしていませんが、どの程度の量が適切と言えるかは個人差があるため、十把一絡げには語れません。
私が感じていた、カフェインが足りなくなったときの、強烈な倦怠感、頭痛は今思えば正常な状態とは思えず、私のカフェインの摂取量は多すぎて依存症になっていたことは明らかです。
治療のプロセス
短期間で治そうとして、いきなりカフェインを一切取らないのは強烈な禁断症状のため、うまくいかないです。(過去何回かチャレンジしましたが、いずれも失敗。。。)
禁煙や、禁酒などと全く同様に、カフェインの摂取量を記録して管理しながら徐々に減らしていくことが有効です。また同時にライフスタイル全般を見直し、カフェインを欲するような疲労状態を減らすように、体への負荷を減らすことも大事です。
第1週(摂取量300mg/日)
最近よく見かけるようになった、500ml入りのコーヒーのペットボトル。計算するとおおよそ、1本あたり300mgのカフェインが含まれています。まずは1日をこの一本のコーヒーで過ごすことから始めます。
1日の間で、なるべく均等なペースになるように小まめに摂取していきます。一度に取る量が多すぎたり、間隔が開いてしまうと私の場合は頭痛や、吐き気などの禁断症状が出てきました。しかし、うまく管理できれば、カフェインの摂取を抑えつつ疲労感も少なく1日を過ごすことができるようになります。
毎朝コーヒーを買うのも不経済です。途中からはインスタントコーヒーを計量してカフェインが300mg程度含まれるようにして、500mlの水筒に作って持ち歩くことにしました。大体インスタントコーヒー8〜9gで300mg程度のカフェインを含むようです。
第2週(摂取量200mg/日)
2週目のカフェイン摂取の目標は、1日あたり200mgとしました。コーヒーの分量としては300〜400mlぐらいが目安となります。
私の場合は、インスタントコーヒーで粉の重量を測りながら400ml分のコーヒーを作り水筒に入れて1日かけてちまちま飲んでいました。インスタントコーヒーの粉の重量は大体6gが目処になります。
この週に入って、脱カフェインの効果が若干現れてきました。コーヒーを飲んだ時に頭がスッキリする感覚が戻ってきたのです。また、夕方から夜にかけて飲んだ時に、寝つきが悪くなる感じもひさびさに感じられるようになりました。それまでは、コーヒーを飲もうが飲むまいが、いつも頭はスッキリしない感じ。夜コーヒーを飲んでも、頭が覚醒する以上に疲労困憊していて、布団に入れば寝られてしまう状態だったのです。
今までどれだけ自分の脳と体がカフェインに毒されていたか、体の不調をカフェインで無理やりごまかしてきたことを意識できた体験でした。
第3週(100mg/日)
第3週に入り、また一段と摂取量が減ってきます。1日あたりの摂取量はコーヒー300ml程度。これぐらいの量となると、1日かけて飲むには一回あたりの量が相当少なくなってしまいます。私の場合は蓋のできるタイプの缶コーヒー+カフェインを含む緑茶などを組み合わせることで、調整しました。
このあたりで、どうしても夕方や夜は禁断症状が出ることもありました。そういった禁断症状、頭痛や、吐き気などを感じた時は体を休めることがなによりも大事です。結局、カフェイン依存から脱却するためには、体に負担をかけないよう抜本的なライフスタイルを変えることが必須となるのです。
第4週(50mg/日)
第4週の段階では、50mg/日の摂取量となっており、これはコーヒー一杯分程度。例によってちまちま飲むにしてもコーヒーでは量が少なすぎます。500mlの緑茶で大体50mg程度のカフェイン量になるため、ペットボトルを一本買って1日かけて飲むようにしていました。
あるいは、カフェインレスのインスタントコーヒーと、通常のインスタントコーヒーを混ぜて、カフェイン濃度を調節した特製コーヒーを作って水筒で持ち歩いたりもしました。
ここまでくれば、依存症からは脱却できた感があります。私の場合、次の第5週からはカフェインを口にしなくても、暮らしていけるようになっています。この状況で頭痛や、吐き気を感じるシーンがあれば、それはカフェインの禁断症状ではなく、体調不良であり、しっかり体を休めるよう肉体がサインを発している、というふうに捉えています。そういう時は、ゆっくり体を休めることがなにより寛容なのです。
まとめ
以上、4週間、約30日にて、カフェイン依存から脱却した治療記でした。
結局、カフェイン依存からの脱却において重要なのは、カフェイン摂取量の管理、というよりも、そもそもの自分の生活習慣を見直すことだと感じました。十分な休養、バランスの良い食生活、規則正しい生活、適度な運動、etc。。。
体に負担をかけない、無理をしないライフスタイルの確率が優先順位としては一番高いのです。それは、ほかのすべての体調管理に通じる健康の礎なのですから。