
シングルスピードバイクのフリーコグ(フリーギア)取り付け、取り外しについて、まとめました。固定ギアではないよ。固定ギアの交換は以下の記事を見てね。
私が使用しているフリーコグ(フリーギア)はシマノ製のフリーホイール。質実剛健、必要にして十分。間違いなくオススメの一品です。
シマノ製以外では、高精度な部品作りで知られるホワイトインダストリーズのフリーコグが人気です。
ただしシマノ製フリーとは、交換に使用する工具が違うので注意してください。この記事の最後に必要な工具を示しています。交換作業自体は変わらないのでご安心を。
今回は、このフリーコグの取り付け、取り外し、交換方法を紹介していきます。
目次
必要な工具(シマノ)

モンキーレンチ
力が必要な作業なので、ある程度大きいものが必要です。どんな作業でもそうですが、作業に適した工具を使わないと、部品や工具を破損しますし、怪我や事故につながります。
シングルフリーリムーバー TL-FW40
フリーコグのメーカーや型式によって、何種類か工具があります。私はシマノのフリーコグ「SF-1200」を使っており、これには「TL-FW40」が適合します。使用する部品に適合した工具を使用しましょう。

スプロケット戻し工具 TL-SR22
スプロケット工具は、ロードバイクやマウンテンバイクの多段変速用のものでなく、シングル用の厚い刃に対応した工具が必要です。シマノの工具ならTL-SR22が適合します。他のメーカーでも厚刃対応のスプロケット工具なら対応可能と思います。

拡大した写真。シマノの、「TL-SR22」と、「TL-FW40」。
外し方

まずは、ホイールを外します。リアハブを止めているナットを緩めます。両側を緩めます。

シャフトのナットが緩むと、後輪の車軸が前にずれます。チェーンがたわみます。私はチェーン引きは使っていないのですが、チェーン引きが入っている場合は、チェーン引きを緩めれば、前にずれるはず。

チェーンをスプロケットから外して、脇に退けておきます。

キャリパーブレーキのアーチ解放も忘れずに行いましょう。特に私の自転車は32cを履いているので大事。

後輪が外れました。

まず、シャフトのナットを緩めて取ってしまいます。

取った後に、シングルフリーリムーバーを取り付けます。良くみると、リムーバーには2箇所突起があります。これはフリーコグに設けられた溝にピッタリ合うようになっています。

溝を合わせてリムーバーを取り付けたら、シャフトのナットを取り付けます。これがポイントです。

ナットは完全に締め込まず、1mmぐらい隙間を開けておきます。これが大事です。

シングルフリーリムーバーは、六角形の形をしていますので、そこをレンチで挟んで回します。緩める方向は写真の矢印の通り。自転車が走っている時のホイールの回転方向を考えれば緩めるためにどっちに回すかは自明なのですが、考えずに回せるように、自分のために写真に書き込みました。
走行中に踏み込むことでどんどん締まっていくので、非常に固い場合があります。急に緩むと弾みで怪我をするかもしれません。十分注意しましょう。
組み立て時に、嵌合部へのグリスアップがされていなかったり、錆び付いていたり、単純に全然外したことが無かったりすると、かなり苦戦するはずです。簡単にいかない場合は、クレ556やラスペネのような、浸透性の高い潤滑油を、フリーホイールとリアハブの隙間に流し込み、10分くらいまって十分に浸透させた後に回すと楽に回せる時もあります。
どうしても無理そうな場合は、部品を壊したり怪我をする前に素直に自転車屋さんに相談しましょう。プロはでかい工具を持っていますし、力加減も上手です。餅は餅屋というわけです。

外れました。
取り付け方

まずは手で回せるところまで締めます。ネジ部には、グリスを塗っておくと後で外す時に固着しないので楽です。グリスはなんでもいいですが、シマノのデュラエースのグリスが定番ではないでしょうか。

スプロケ戻し工具を引っ掛けて、写真の矢印の方向に回して締めこみます。正直自転車に乗っていれば、勝手に締まっていくので、ムキになって締める必要は無いと思います。緩みが出ないように、しっかり締まっていれば十分でしょう。

後輪を取り付けます。先程と逆の手順です。ホイールが斜めに取り付かないように、左右対称な位置にハブのシャフトが固定されているか良く注意します。チェーン引きがあると微調整が出来るので便利です。私はチェーン引きは使っていないので、目視で見ながら合わせこんでいます。
最後はシャフトのナットをしっかり締め込んで終了です。
フリーコグの歯数を変えた場合、ホイールの位置がもともとの場所からずれるので、ブレーキシューの取付位置の調整が必要になります。方法については以下の記事をご覧ください。
チェーンリングの歯数を変えることでもギア比は調整できます。チェーンリングの交換方法はこちら。
ホワイトインダストリーズのフリーコグの場合
高精度、高耐久なフリーコグとして人気のホワイトインダストリーズのフリーコグの場合は、使用する工具が異なるので気を付けましょう。
このフリーコグは、刃の厚みが薄刃でピストで一般的な厚刃とは異なりますが、厚刃チェーンや、厚刃用のスプロケット外しを使用しても問題無いようです。
リムーバー工具は4つツメのあるタイプになります。
作業方法は変わりません。そのほか、シマノ製でもBMX用のフリーコグの場合は爪が四つの工具が必要です。
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コメント
初めまして。
遠藤 渉と申します。
このブログのお陰でフリーホイールの交換が上手くできたので、無辺光さんにお礼を言いたくてコメントさせて頂きました。
今回、2020年購入のFUJI FEATHERのフリーホイールが壊れてしまい、修理方法を探していて無辺光さんのこの記事に辿り着きました。
僕は、最初から付いていた、DnPの溝が8箇所あるタイプのフリーホイールからシマノのSF-1200 16-20T に交換しました。
その際シマノのTL-FW40を使用したのですが、初めは上手くいかず、無辺光さんが外す際に記載している、「ナットを閉めてから」でやってみると 上手く回すことができ、無事 交換することができました。
工具が合わず上手くいかないかな?と諦めかけていたのでとても助かりました。
とても有益な情報を教えて頂きありがとうございます。
これからもちょくちょく ブログを覗かせて頂きます。
失礼いたします。
遠藤さま
コメントありがとうございます!
フリーホイールが壊れるとは珍しいですね。
あの部分は爪が浅いのでナットを閉めないと外すのは無理ゲーレベルです。
お役に立てて良かったです。
これからもよろしくお願いします。